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    <subtitle>スウェーデンの育児政策</subtitle>
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    <title>第16回「フランスの家族政策」</title>
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    <published>2009-09-16T06:10:56Z</published>
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    <summary>国際的に定評のある先進福祉国家スウェーデンに匹敵するほどの高度の福祉国家体制を実...</summary>
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        <![CDATA[<p>国際的に定評のある先進福祉国家スウェーデンに匹敵するほどの高度の福祉国家体制を実現してきた国として、フランスがあることを御存知だったでしょうか。</p>]]>
        <![CDATA[<p>この国が特に成功した分野として、家族政策が挙げられると言えば、驚かれる方も多いでしょうね。成功の裏にはそれなりに精密かつ複雑に設計された政策体系があり、その全体像は、第一に税制上の措置、第二に公的給付措置の二本の柱に大別できます。</p><p>まず税制面から説明しましょう。なによりもまずフランス所得税独特の制度、N分N乗方式を理解して頂く必要があります。この国の所得税の課税単位は家族であり、スウェーデン、日本などのほとんど国が個人を課税単位とする所得税制を採用していることと大きな差があります。つまり家族の構成員（夫婦及び子ども達等）の稼得所得をすべて合計して世帯所得を把握し、これに課税するのです。どの国の所得税制も累進税率制を採用していますから、世帯所得そのままで累進税率を適用すると、通常、高額の租税負担になってしまいます。</p><p>そこでフランスでは、家族数に基づいて算出した「家族除数」Nで世帯所得額を割算し、これに累進税率を適用して算出した数にもう一度「家族除数」Nを掛算して計算税額を算出します。こうすれば、累進税率表上の高税率江適応数が少なり、N倍しても高税額は回避できるのです。「N分N乗方式｣と呼ばれる理由もこれでお分かりでしょう。「家族除数」N算出にあたっては、夫婦はそれぞれ1とし、第一子と第二子とはそれぞれ0.5、第三子以降は再び1とします。夫婦のみの家族除数は2、夫婦子ども二人なら3、夫婦子ども三人なら4&hellip;こういうことになります。もちろん、Nが大きいほど累進税率表上の高税率適用額はみるみる小さくなり、結果としての税額もみるみる小さくなります。この税制が子どもの数に対して実際にどのような効果を持つことになるのでしょうか。</p><p>夫婦合わせて年収4万3千ユーロ（約650万円）の場合、税法上の経費累控除後の課税所得は30600ユーロになりますが、これに2005年の税制を適応した結果を第一表で見て下さい。子どもの数が増えると税額が劇的に減少しているでしょう。日本の税制でも子どもには扶養控除があり子どもが増えれば税額は減少します。年収７百万円の家族を例えにとると子どもなしと比べて1人の場合13万円、3人の場合18万円程度の負担が軽減します。フランスのN分N集方式が子どもを持つ世帯にいかに有利に働くかが一目瞭然でしょう。</p><p>わが国でもフランスの方式が子どもを持つ世帯に有利に働き、ひいては出生率の向上に寄与していることに注目する議論がありました。実はこの方式での税負担減少効果は、世帯の稼得所得が４万ユーロ近く（600万円近く）にならないとはっきり現れないし、それより所得水準の高い世帯ほど負担軽減効果が大きく、これは金持ち優遇制度であり、わが国の実状には合わないという議論がありました。</p><p>確かに子どもが一人増えることによる負担軽減効果は、30代後半～40代前半近辺の世帯、中流から豊な層に移行しつつある働き盛りの層にとって特に受益感が大きいと言えます。しかし、出生率を長期的に人口減をもたらさない水準（人口置換水準）近くまで引き上げるためには、子のない女性や一人っ子の女性が数多く存在する中では、３人、４人の子を持つ多子家庭がごく一般的に多数存在することが絶対に必要であり、働き盛りの中堅層の受益大きいことは、社会的に望ましいと考えるべきなのです。</p><p>さらにN分N乗方式の持つ裏の事情も理解する必要があります。事情があって、独身を通した人や子どもができても一人に戻った人の税負担は相対的に重くなります。さらに重要な点は、40代までに複数の子どもをもうけ、立派に育て上げ、50代前後に子ども達を無事に独立させた人の税負担の急増です。その年齢では、まさに経験を積んだ働き盛りであり、社会的地位も得て相当額の年収の下で豊な生活を楽しんでいるケースも多いでしょう。</p><p>その場合、子どもが次々と独立していけば、家族除数Nは次々と減少し、税負担は「劇的に」増えるのです。子育てが終わって豊な年収を持つ世帯が若い子育て最中の世帯のコストを分担しているのであり、これは「育児の社会化」という福祉国家共通の基本的な考え方のひとつの重要な側面に他なりません。税制全体を大局的に見れば、決して金持優遇ではないのです。</p><span style="display: inline;" class="mt-enclosure mt-enclosure-image"><img width="450" height="251" style="" class="mt-image-none" src="http://www.poppins.co.jp/poppins_topics/2010/02/12/colum016.gif" alt="colum016.gif" /></span>]]>
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    <title>第15回「その他の福祉」</title>
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    <published>2009-08-20T02:38:01Z</published>
    <updated>2009-09-09T07:12:31Z</updated>

    <summary>高度に経済の発達した先進諸国の財政構造は、極めて大雑把に言えば、2つの類型に分類...</summary>
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        <![CDATA[<p>高度に経済の発達した先進諸国の財政構造は、極めて大雑把に言えば、2つの類型に分類することができます。まず、第一表を見て下さい。</p>]]>
        <![CDATA[<p>国民に高い負担を求める一方で、高レベルの福祉・教育への支出を行なっている国々と、負担を比較的低位に抑え、その分、福祉や教育への支出水準を比較的低く抑えている国々です。前者に属する国としては、この表ではスウェーデンの国民負担率が最も高く、これにつぐのはフランスであることは一目で分かります。ドイツ、イギリスもこの両国程では有りませんが、かなりの高負担を国民に求めていますね。</p><p>これに対して、アメリカと日本は比較的低負担を維持している後者の類型に属する国であるということも一目で分かります。もう一つこの表から分かることは、両類型の負担率の差は、もっぱら福祉と教育への支出小準の差によって説明できるとう点にあります。（ドイツはやや例外です）つまり、福祉、教育を除く「その他の支出」（公共事業、農業補助、中小企業対策などの産業政策、国防、ODA、その他のすべての行政経費が含まれます）の水準は、その内容に若干の差はあっても、経済としてはどの国もほとんど差がないことが見てとれます。高い負担を求める分、そのすべてを福祉支出や教育への公的負担の形で国民にお返ししている姿がみてとれるのです。</p><p>それでは、各国の福祉関連支出の水準差の内訳はどうなっているのでしょうか。第二表を見て下さい。</p><p>この表で注目すべき点は、日本の福祉関係支出のうち、年金と医療に関する公的支出は、スウェーデン、フランス、ドイツという名だたる福祉国家における水準とそれほど差はないという点です。つまり、福祉水準の大きな差は、もっぱら「その他の福祉」に対する公的支出の大きな差によるのです。ここで「その他の福祉」とは主として「老人介護」「家族政策」「失業等労働市場対策」及び「生活保護」の4本から成り立っています。いづれも、福祉サービスという現物の供与がその根幹であり、スウェーデンと日本の差は4.4倍、日本とフランスとの差も2.7倍に達するのです。この種の統計上の国際比較におけるこのような差は、実に本質的な大差と言えるのです。</p><p>それでは、「その他の福祉」の重要な柱である家族政策の内容にどのような差があるのでしょうか。第三表を見て下さい。</p><p>スウェーデンと日本の差は実に4.7倍、フランスと日本の差も4.0倍に及びます。さらにその内訳をみると、スウェーデンの極めてジェネラスな家族政策への公費投入3.5％のうち、仕事と育児の両立の為の環境整備を政策目的とする出産、育児休業給付と保育、就学前教育への支出が2.59％と全体の3/4を占め、このような思い切った政策が、女性の就業率と出生率のめざましい上昇をもたらしたことは、今まで本欄で14回にわたり説明してきました。</p><p>実は、スウェーデンと並ぶ名だたる福祉国家フランスも、そのたくみに設計された家族政策が見事に実を結び、ベビーブームと言われるほどの出生率の上昇を実現しました。第16回から数回にわたり、この国の家族政策を説明したいと思います。</p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline"><img class="mt-image-none" height="549" alt="colum015.gif" width="550" src="http://www.poppins.co.jp/poppins_topics/2009/09/09/colum015.gif" /></span>]]>
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    <title>第14回『安定した社会』</title>
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    <published>2009-07-20T01:46:38Z</published>
    <updated>2009-07-24T08:06:13Z</updated>

    <summary>1889年、スウェーデン社会民主労働者党が結成されます。当時のスウェーデンは、と...</summary>
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        <![CDATA[<p>1889年、スウェーデン社会民主労働者党が結成されます。当時のスウェーデンは、とても貧しい欧州北辺の農業中心の国であり、社会情勢もご多聞にもれず極めて不安定であり、激しい労働争議が頻発していました。</p>]]>
        <![CDATA[<p>&nbsp;産声を上げたばかりの社民党も、党内に厳しい路線対立をかかえ、暴力的革命に訴えてでも一気に社会の革新を狙うべきだとする左翼冒険主義的一派と、市民の広汎な合意の下に、漸進的に社会の仕組みの改良を進めるべきだとする緩健改良主義は一派とのにらみ合いが続いていました。両派の争いの中から、後者に属する若干28才のブランティングが初代党首に就任します。</p><p>この生まれたばかりの当が、急速に成長し、後にスウェーデンモデルと呼ばれる高福祉高負担国家の形成に見事に成功するとは、恐らく誰も予想しなかったでしょう。ブランティングは、経党７年後には同党の国会議員第1号となり、1914年には同党を議会第一党の地位までにおし上げます。（それ以降、同党は、この議会第一党の地位を現在まで守り続けています。）そして1917年には、初めて政権に参加、1920年には自ら内閣を組閣するのです</p><p>1925年ブランティング死去の後、同党をひきいた第2代党首アルヴィン・ハンソンは、1932年に47才で内閣を作り、社民党にわずかに残る「社会主義的イデオロギーをほぼ完全にぬぐい去り、政権政党として、漸進的な合意形成を旗印しに、弱者のための政策を着実におし進めます。その中心施策として、公平、公正な社会、すべての市民に機会均等を保障し、その一環として、男女同権、共同参画社会の実現をめざしました。そしてそのために女性の家庭からの解放をおし進めたのです。</p><p>男性は外にでて家計を支え、女性は家庭にあって家事と育児を分担するという男女の機能分担はいつから始まったのでしょう。これは、一部の保守的な思想家が主張するように、古来からある醇風美俗では決してありません。農業が経済活動の中心であったまだ貧しい時代には、夫婦そろって外に出て、必死に家計を支えることがむしろ当然の姿でした。「おじいさんは山に芝刈りに、おばあさんは川に洗濯に」という程度の機能分担にあったかも知れませんが、女性は家にあって家事、育児に専念するということでは、家計は支えきれなかったはずです。そんな中で、女性の強い社会的発言力が維持され、今のことばで言う共同参画が実現していえます。「女性は家にあって家庭を維持する」という考え方が一般的になるのは、「産業革命」以降なのです。</p><p>ハンソン首相は、ほぼ欧州全土をまきこんだ第二次世界大戦の嵐の中で、あくまでも中立を守り通しながら、女性を家庭から解放するための枠組造りに着手します。そのための中心施策は、家事、育児を勤労とを両立できる環境造りを行なうことであり、その核となるのは、保育所の整備と育児休暇制度の確立だったのです。</p><p>第二次大戦終結直後の1946年、14年間首相の地位にあったハンソンの思いもよらない急死のあとを受けて、45才で社民党第３代党首となったターゲ・エランテルは、以降23年間にわたり、この国の首相として、弱者のための政治活動を推進します。その最も大切な柱は、女性の家庭からの解放の為のハンソン的枠組に血と肉をつけることでした。そのためには、保育所を充分に作ることももちろん大切でしたが、それ以上に重要なことは、有能で訓練された保育士を大量に確保することと、両親から頂く保育料をうんと高くすることでした。</p><p>そのためには、多額の税金の投入が必須であり、高負担社会への移行は必然だったのです。その本格的な実行は、1960年の売り上げ税の導入とともに始まります。それからはほぼ20年間、国民に負担増を求める施策が漸進的に、しかし着実に推進されます。1960年に税率4.2％で導入された売上税は、20年後には税率24％に近い付加価値税になりました。県と市町村の住民税率合計も、せいぜい14％程度～30％程度にまで引き上げられたのです。</p><p>そのような豊かな財源を使った福祉施策の効果は目をみはるばかりです。保育所を利用する幼児の数はみるみる増加いたします。（第１図）　現在では、0才児と1才児は両親が育児休暇制度を使って自ら保育し、2才からは両親の就労時間内は保育所に預けるという育児パターンが確立しました。2才から学齢期までの子どもの80％は何らかの形の保育所に預けられているのです。そして、男女ともに15才～65才までの市民の80％近くで就労する社会が実現します。（第2図）特に、7才以下の子どもを持つ女性の就労率は男性のそれを上回るまでになっていることに注目して下さい。</p><p>女性の年齢別の就労には、先進各国内で様々のパターンがあることはよく知られています。（第3図）就労と育児の両立を確保する環境の進んだスウェーデンのパターンは、逆U字型と呼ばれています。日本のM字型と言われるパターンと比較してみください。スウェーデンのパターンは1960年から始まったエランデル型の政の進展に伴って次第に形成されてきたものであることは第4図を見れば明らかです。保育所の整備と保育料の低廉化に合わせて「１コブらくだ型」から、現在の日本に似た「M字型」にそして現在の「逆U字型」に見事に変化しているでしょう。</p><p>このことは、社会にいくつもの好ましい変化をもたらしました。特に男女の賃金格差は急速に縮小したことは特筆に値します。（第5図）保育園や幼稚園の閉園時間には夫婦いずれかが子どもを迎えに行き、一家揃って夕べの団欒を楽しむパターンが一般的となります。ワークライフバランス等と取り立てて言わなくても自然にそうなるのです。</p><p>夫婦揃って働けば、世帯収入も増えるでしょう。それに2人、3人と子どもができても、夫婦の就業継続に心配はないのですから。当然、出生率も上昇します。この国では、一時、1.5にまでも下がった出生率は、最近では1.9までに回復し、長期的に人口減や労働力不足などを心配する必要のない持続的で安定した社会が構築されたのです。</p><p>高福祉高負担社会は、豊かになった先進国が豊かさを実感できるためのモデルを提示しているのです。</p><p>&nbsp;</p><p><a target="_blank" href="http://www.poppins.co.jp/poppins_topics/pdf/diagram_2.pdf">図表はこちら</a></p>]]>
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    <title>第13回『国民負担と公共支出』</title>
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    <published>2009-04-13T02:18:20Z</published>
    <updated>2009-04-20T06:37:06Z</updated>

    <summary>これまでの福祉国家スウェーデンの話に続いて、今回は、対象を少し拡大し、経済先進国...</summary>
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        <![CDATA[<p>これまでの福祉国家スウェーデンの話に続いて、今回は、対象を少し拡大し、経済先進国と言われる六ヶ国について、国民負担と公共支出の状況を比較してみました。</p><p>&nbsp;</p>]]>
        <![CDATA[<p>&nbsp;高い負担を国民に求めている名だたる福祉国家スウェーデン、フランス、ドイツ、イギリスの各国は、福祉面及び教育面にこの高い負担で得た資金を投入している状況をご覧下さい。（第一図）</p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline"><img class="mt-image-none" height="189" alt="image01.gif" width="505" src="http://www.poppins.co.jp/poppins_topics/images/image01.gif" /></span><p>国民負担が相対的に低い日本とアメリカの両国は、福祉と教育への公的資金の投入がその分だけ見劣りしており、この2部門以外への資金投入は、ほぼ同水準で並んでいることに注目してください。（ドイツは例外です）</p><p>福祉国家における福祉及び教育面への高水準の公的資金投入が、この両部門における雇用増により男女同等の就労機会をもたらし、「福祉国家の成長率向上効果」というわが国の常識とは正反対の結果を生み出したこと、さらには、出生率の上昇という効果を通じて、中・長期にわたる潜在成長力の確保をもたらしていることを説明してきましたが、今回はもう一つ、市場における競争の激化の下で避け難い「格差拡大」をおしとどめる効果も強調したいと思います。</p><p>所得の不公平配分－格差－を数量的に把握する方法として「ジニ係数」が重要です。この係数を簡単に説明する為に、五人の構成員が所得を分け合う41の単純なケースを考えます。（第二図）</p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline"><img class="mt-image-none" height="139" alt="image02.gif" width="319" src="http://www.poppins.co.jp/poppins_topics/images/image02.gif" /></span><p>この配分に基づいて所得累積グラフを作ります。（第三図）</p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline"><img class="mt-image-none" height="211" alt="image03.gif" width="523" src="http://www.poppins.co.jp/poppins_topics/images/image03.gif" /></span><p>第１ケースについて言えば、構成員BのところでAとBの所得10をまずプロットし、次に構成員BのところでAとBの累積所得25をプロットします。この作業を続けると構成員Eのところで100に到達します。こうしてできた累積線をローレンツ曲線とよびます。五構成員全員が20という完全公平な物合のローレンツ線は原点と100の点を結ぶ直線となりますが、この線と一般的なケースのローレンツ線でできるバナナのような図形の面積を完全公平線と完全不公平線（構成員Eが100を独占するケース）で作る三角形の面積で割った数字をジニ係数と言います。バナナの形が下に垂れ下がってメタボになるほどジニ係数は大きくなります。不公平度が増して一に近づくことになります。</p><p>それでは、主な先進国のジニ係数を比較してみましょう。（第四図）</p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline"><img class="mt-image-none" height="227" alt="image04.gif" width="361" src="http://www.poppins.co.jp/poppins_topics/images/image04.gif" /></span><p>当初所得配分段階では、ベルギー、イタリア、スウェーデンが不公平な国の上位にランクされます。日本は、戦後の農地改革、財閥解体などの占領軍政策及びその後の中流階級の活躍により、最も公平な配分を示していますね。</p><p>しかし、公共部門介入後の配分では、全く状況がことなります。スウェーデンなどの名だたる福祉国家が最も公平な国とおどり出、日本はイタリアやアメリカに次ぐ不公平な国に属することを注目して下さい。福祉国家においては、高い国民負担率により高所得者に多額の負担を求める一方、福祉＋教育面での公的支出を通じて、これを全国民に還元している結果、ジニ係数の大幅な改善をもたらしたのです。</p><p>スウェーデンなど福祉国家において、高福祉高負担政策を推進した社会民主主義系の革新政党が、平均程度以下の所得層の人々（経済的弱者）の支持を集めた秘密の一つは、この点にあるのです。</p><p>なおこのデータは1995年というやや古い時期のものであり、日本では、それ以降、バブル崩壊後に発生した膨大な財政赤字の下で、増税を避けつつ財政再建を追及した結果、ジニ係数の悪化が認められることに注目して下さい。正規雇用と非正規雇用との間の格差、年金生活に入った高齢者層間の保有資産や年金水準の格差などの拡大が続き、福祉や教育面での機能不全の原因となっているのです。</p>]]>
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    <title>第12回『活力あふれる社会の実現』</title>
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    <published>2009-03-16T05:11:10Z</published>
    <updated>2009-03-19T09:42:28Z</updated>

    <summary>戦後の高度経済成長に恵まれたスウェーデンは、1960年には、世界のトップレベルに...</summary>
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        <![CDATA[<p>戦後の高度経済成長に恵まれたスウェーデンは、1960年には、世界のトップレベルに属する高所得国家に変身していました。</p>]]>
        <![CDATA[<p>この時期をとらえて、時の社民党首エランデル首相は、経済的弱者の味方という明確なメッセージを持って福祉国家建設のビジョンを示し、漸進的な増税路線に踏みこみ1980年代初頭には、DGP対比国民負担率50％超（わが国は現在29％程度）まで引き上げ、この負担に見合う高度に発達した福祉水準を実現し、国民が豊かさを実感できる社会の形成に成功しました。</p><p>この成功の背景には、一気に福祉ビジョンの実現を図るのではなく、一歩一歩隔日に漸進的にものごとを進めるという慎重な配慮があったことを見逃してはいけません。国民負担を主に付加価値税及び地方住民税の税収措置を通じてほぼ倍増させるのに20年余りを要しているのです。</p><p>この間、国民が許容しうる範囲を慎重に見据えた上での増収措置、それに見合う　一定の福祉水準の引き上げ、国民に対する受益感覚への訴え、受益感覚の浸透を見極めた上でのさらなる増収措置というサイクルを繰り返します。この間エランデル首相とその後継者パルメ首相のひきいる社会民主党政権は、度重なる選挙を常に乗り切り、長期政権を築いたのです。</p><p>&nbsp;この間に、社会福祉給付費の水準は、1960年のGDP比11％程度から80年には32％程度に上昇しました。国民負担率が、GDP比50％というほぼ上限に到達した時点での社会福祉給付費のこの水準は、現在もほぼ変わらず維持されています。この中で特に注目すべきは、家族政策への公費の潤沢な投入であり、なかでも、育児休業給付、保育就学前教育への公費投入は、世帯ペアの就業と育児の両立の為の環境を整え、女性の就業率の上昇と出生率の上昇をもたらし、活力あふれる社会の実現維持に貢献したのです。</p><p>端的に第一図を見て下さい。福祉国家形成の為の国民負担増加テンポと全く平行して、保育園や幼稚園（この表では就学前教育施設と表示）の入園児童数の着実な上昇、さらには学童保育所（この表では授業終了後保育センターと表示）の児童数の急速な上昇をよく見て下さい。</p><p>そして第二図、女性就業率の着実な上昇も、福祉政策成功の見事なあらわれであることは一目で分かります。特に、7歳以上の子どもを持つ女性の就業率が急速に上昇し、ついには男性就業率に匹敵するまでに至ったことは、本当に見事ですね。そしてこのような雇用構造の抜本的変化の下で、男女とも、長時間超過勤務などという働き方は全く論外となり、いわゆるワークライフバランスの適正化が進みます。</p><p>端的に第三図を見て下さい。男女いずれかが、就学前教育施設の開園時間に合わせて帰宅し、一家そろって楽しい団らんの時間を持つありさまが目に浮ぶではありませんか。</p><p>福祉国家とはまさにこういうものであり、これは、福祉国家がなぜ元気なのかを解き明かすカギのひとつなのです。</p><p>&nbsp;<a href="http://www.poppins.co.jp/poppins_topics/pdf/diagram.pdf">diagram.pdf</a></p>]]>
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    <title>第11回「福祉国家への道」</title>
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    <published>2009-02-10T06:05:48Z</published>
    <updated>2009-02-12T08:40:04Z</updated>

    <summary>スウェーデンの高度に発達した家族政策は、もともと男女同権、機会均等、女性の家庭か...</summary>
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        <![CDATA[<p>スウェーデンの高度に発達した家族政策は、もともと男女同権、機会均等、女性の家庭からの解放という社会民主主義の理念に立脚して設計され、長期にわたる試行錯誤の上に立って、確立された体系であり、２本の柱から成り立っています。</p>]]>
        <![CDATA[<p>第一の柱は、育児に伴う直接のコストの一部を社会全体で担うための家族手当の充実、子弟の教育のためのコストの大部分の公的負担であり、第二の柱は、子どもを持っても夫婦そろって社会に進出し仕事を継続できる環境を整備するための育児休暇制度の確立と、保育や幼児教育の施設の整備と保育料などの大部分の公費負担、この２つです。そのため、GDPの3.54％という高率の公費負担が投入され（2003年、日本0.75％）、一般市民はこの負担を受け入れたのです。</p><p>この2つの体系のうち特に重要なのは、第二の柱です。家族政策に投入される公費のうち、70％近くがこの分野に充てられています。このことは、子どもをもつ夫婦の就業継続を可能とし、女性の家庭からの解放をもたらし、男女ともに就業率80％近辺という雇用構造を生み出しました。同時に、福祉分野における需要の増大に応じて、教師、保育士、介護士などの多様な雇用機会が生み出され、女性を中心にとする就業率の上昇は、これらの分野を中心に摩擦なく吸収されていったのです。</p><p>わが国の一部で懸念されているように、高福祉に伴う高負担が、社会全体の生産性を低下させ、失業率も上昇し、経済の活力を失わせるのではないかという現象は全く生じませんでした。むしろ活気にあふれた成長力を生み出したのです。</p><p>共稼ぎが当たり前となった社会では、当然の結果として、男女の働き方に２つの大きな変化をもたらしました。一つは、ワーク・ライフ・バランスの顕著な変化です。夫婦の少なくとも一方は、夕方には帰宅し子どもの面倒をみるのが当然であり、長時間の超過勤務など問題外となって行きます。そして第二に、女性を中心として、パートタイム労働など多様な労働形態が普遍的に見られるようになります。と同時にフルタイム労働であれ、パートタイム労働であれ、同一価値労働には同一賃金という原則が着実に実現していったのです。</p><p>わが国の一部で議論されているように、まず第一に雇用慣行を改善し、ワーク・ライフ・バランスを適正化すべきだという主張は、政策順位から言って疑問です。まずなすべきことは、夫婦ともに子どもを持っても安心して就業継続する環境を作り出すことであり、それができれば、主として女性の就業率の向上によって、成長力の確保とワーク・ライフ・バランスの適正化が同時に実現してゆく、こう考えるべきなのです。もちろんこの政策は国民負担を伴いますが、社会全体としてこれを避けてはいけない、こう思います。</p><p>福祉国家スウェーデンの極めて高水準な家族政策は、先進各国の悩みの種である出生率の慢性的な低下に歯止めをかけ、さらに反転上昇させるという成果を生み出しました。戦後2.3前後で安定していた出生率は、経済発展に伴い御他聞にもれず低下現象が起り、1999年には1.5と同国史上最低地を示しました。</p><p>しかしこれ以降毎年のように着実な上昇が観察され、2006年にはついに1.85まで回復したのです。この水準は、いわゆる人口置換水準2より少し低いですが、わが国の1.3程度の水準とは質的な差があります。この水準ならば、将来長期にわたって成長力を確保することも可能ですし、年金制度など各般の福祉政策の永続性も確保できるのです。</p><p>スウェーデンのパーション前首相が訪日して主張を続けたように、「少子高齢化」に悩む先進国家にとって、「福祉国家への道」しか他にとるべき方策はないのです。</p>]]>
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    <title>第10回「合理的態度」</title>
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    <published>2009-01-13T08:05:12Z</published>
    <updated>2009-01-16T09:54:41Z</updated>

    <summary>戦後の高度経済成長に恵まれたスウェーデンは、1960年には、世界のトップレベルに...</summary>
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        戦後の高度経済成長に恵まれたスウェーデンは、1960年には、世界のトップレベルに属する高所得国家に変身していました。この時期をとらえて、時の社民党首エランデル首相は、経済的弱者の味方という明確なメッセージを持って福祉国家建設のビジョンを示し、漸進的な増税路線に踏み込みました。
        <![CDATA[<p>そして20年余り経過した1980年代初頭には、GDP対比国民負担率50％超（わが国は現在29％程度）に達し、この負担に見合う高度に発達した福祉水準を誇り、国民が豊かさを実感できる社会の形成に成功しました。高負担国家に成熟期に入ったのです。</p>
<p>それから20年余りを経た現在、わが国で通常考えられているような現象、例えば、企業活動は高いコストの負担を強いられ、主要生産設備の海外移転（産業の空洞化）や経済全体の生産性の低下、国際競争力の低下は避けられないという現象は全く見られず、順調で着実な成長と比較的低い失業率を実現しているのはなぜか、その秘密は本欄第７回で見たように、国民の望む産業構造と雇用構造が実現し、男女ともに80％台に達する労働力化率の下で、安定した経済状況を維持することに成功したこと、女性が家庭から解放され、経済活動を続けながら育児を両立できる環境が作り出され、このことが出生率の低下を反転させる効果を生み出し、長期的に見ても持続的な成長が確保できる見通しとなったことを挙げました。</p>
<p>高水準の福祉レベルは、このほかに、市場では避け難い所得水準の格差を是正し、平均を下回る所得階層の人々に負担を上回るような豊かな受益をもたらし、経済全体の所得配分の公平度を著しく高めたこと、また、相当な小集落でも、学校、病院・診療所、老人介護施設、保育施設などの最低限の福祉施設を備えるべきことは、高度な福祉国家を称える以上当然のことであり、このことが、市場では避け難い中央部を地方部との格差の拡大に歯止めをかけたことも忘れてはなりません。</p>
<p>スウェーデンの経済社会の現状を客観的に観察する限り、高福祉高負担制は、経済グローバル化が進む現在では、修正を免れないという主張は根拠がないと結論付けざるをえないのです。</p>
<p>それでは当のスウェーデンの北極圏に近い地域の中心都市ウメオにあるウメオ大学のシュテファン・シュバルフォス教授は、福祉国家成熟期に入ったばかりの1981年より5年毎にスウェーデン市民の福祉関連施策に対する態度のアンケート調査を行なっています。それによると、医療保険・高齢者援助・育児支援、雇用政策、初等中等教育の各分野について、そのための公的資金の支出を増額すべきだという回答が減税すべきだという回答を大幅に上回るという結果をすべての調査が示しています。</p>
<p>住宅扶助と社会扶助（生活保護など）の分野だけでは減税すべきだという回答が上回りますが、他の分野が所得制限などのない福祉普遍主義に基づいて制度設計されているに対し、この2分野だけは所得制限があるからだと考えられます。スウェーデンの人々も相当にエゴイスティックですね。でもこれだけ高い負担の下でなおほとんどの分野で公費増額を求めているという結果には驚くほかありませんね。</p>
<p>このような調査を見るまでもなく、スウェーデンの人々の総選挙における投票率が、常に80％をこえているという事実が示すように、政治行政の打ち出す政策に強い関心を有し、高い負担でもよりよい社会に向けて使われるなら、あるいはよりエゴイスティックに結局は自分の利益になるなら、喜んで負担しましょうという合理的な態度がこの国を支えている－そう思えるのです。</p>]]>
    </content>
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    <title>第9回「三位一体改革」</title>
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    <published>2008-12-12T06:32:56Z</published>
    <updated>2008-12-15T09:00:13Z</updated>

    <summary>前回、高福祉と国家へのビジョン実現に向けたエランデル社民党の政治的努力は、当然に...</summary>
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    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.poppins.co.jp/poppins_topics/">
        <![CDATA[<p>前回、高福祉と国家へのビジョン実現に向けたエランデル社民党の政治的努力は、当然に国民の高負担を伴うものであっただけに、国民サイドからの抵抗もありえたはずであり、この難問を克服するために、ビジョン実現への努力を1960年から80年代前半まで、20年間以上もかけて続け、これにより、国民の受益感に訴えつつ極めて漸進的に着実に政策展開を行なったと述べました。</p>
<p>&nbsp;</p>]]>
        <![CDATA[<p>でもこの漸進主義だけでこの難問を解決することは、実は無理があり、他に2つの施策が並行的に実施されることが不可欠の前提でした。</p>
<p>1つは政治行政の民主化の徹底であり、１つは地方分権の徹底でした。</p>
<p>まず第1の民主化の徹底ですが、そもそも民主主義国家の政治・行政は、それが公共部門から民への一方的な権力行為という古い観念を完全に脱却することが求められます。公共部門の民への行為には当然民からの反応があり、民への反応にまた公共部門が応えるという双方向的の確立が不可欠なのです。</p>
<p>その行為の施策の第一として、会議の代表制のさらなる向上が図られます。この国の統括法は、1866年の抜本的改正によって従来の王権の強い体制からの民主化への変化の第一歩が印されたのですが、その後、中世的な身分別四部会という体制から、上・下両院による議会制の礎が築かれました。しかし、この制度では時々の国民の意思の変化を確実に議会選挙に反映させるには問題が多いことが次第に認識され、福祉国家形成努力のまっ最中であった1970年に、一院制議会への改革が行なわれ、議院の任期を3年（後に4年に改正）として、国・地方を通じる総選挙が3年毎に行なわれて民意を問う制度を確立したのです。</p>
<p>選挙自体も、地域的あるいは個人的な利益を強調する利益誘導型の選挙ではなく、各政党の政策自体を問題として国民の信を問う形を徹底してゆきます。また、候補者自身が多数の選挙資金を負担するというようなせんきょのやり方は、完全に排除されました。これに加えて、各種のオンブズマン制度の強化により、不適切な政治行政行為をチェックし、また民意の形成に決定的な役割を演ずる情報公開制度もさらに整備されてゆきました。</p>
<p>第2の地方分権の徹底ですが、福祉国家形成へ向けて市民の受益感覚に訴えるには、ランスティング（県）やコミューン（市町村）が独自の判断で行なうべき分野に国が介入することは徹底的に避け、市民の負担増が福祉レベルの上昇と結びついていることを実感できる体制の確立が不可欠でした。</p>
<p>福祉との分野で言えば、各種の年金制度や失業保険などの現金給付的なものは、国として統一的に行なうべき分野ですが、高齢者障害者サービス、保育サービスなどの福祉サービスの分野は、直接市民と向きあっているコミューンに任せるのが当然と考えられました。教育の分野では、大学教育は国の仕事とされましたが、基礎学校（わが国の小・中学校）や高校の教育はコミューンの仕事と明確に位置づけられました。</p>
<p>このためには同時に2つの施策が不可欠でした。第1は、全てのコミューンが福祉サービスや高校までの育児を担えるに充分な規模を持つことであり、2400にも登るコミューンが存在した状況から、50年代・60年代を通じて強力な合併政策がとられ、74年には、ほぼ現在のコミューン数290という姿を確立したのです。</p>
<p>第2は、コミューンに福祉サービスや高校までの教育を任せる体制に見合う財政力を附与することが必要でした。福祉国家形成過程で、ランスティングやコミューンの財源である住民税率が14％台にまで着実に上昇したことはこの努力を示しており、また、国からの補助金も、特定の事業への補助という形で国がコミューンの施策に介入する仕組みを排除し、基本的に面積や人口で配分する一般補助金にかえてゆき、これによりコミューンの財政力の底上げが図られたのです。</p>
<p>福祉ビジョン実現へ向けてその漸進主義、民主化の徹底、地方分権の徹底という3大改革は、実に高次元の三位一体改革だったのです。</p>
<p>&nbsp;</p>]]>
    </content>
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    <title>第8回「漸進主義」</title>
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    <published>2008-11-10T07:56:36Z</published>
    <updated>2008-11-12T07:08:44Z</updated>

    <summary>高福祉高負担国家スウェーデンでは、国民の高い負担の下で、充実した家族政策をはじめ...</summary>
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    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.poppins.co.jp/poppins_topics/">
        <![CDATA[<p>高福祉高負担国家スウェーデンでは、国民の高い負担の下で、充実した家族政策をはじめとする高レベルの福祉水準を実現し、国民は豊かさを実感できる環境を楽しむとともに、経済全体としても、強い国際競争力を維持し、また、出生率の反転上昇等により、経済の長期的活力を確保している状況を説明してきました。</p>]]>
        <![CDATA[<p>2004年3月、時のスウェーデン首相ヨーラン・パーション氏（社会民主党首）は、わが国を訪問し、度重なる講演毎に、人口減少傾向の下で持続的な成長を維持するには、福祉国家しか道はないと主張し、わが国もできるだけ速やかにその道を進むべきだと強調しました。でも、いかに福祉水準を引き上げる為だと言っても、それが税や社会保険料の引き上げを伴う以上、国民側からの抵抗は必至です。</p>
<p>スウェーデンはこの難問をどのように解決したのでしょうか。</p>
<p>第二次大戦という欧州を襲った歴史的な悲劇を厳正中立で乗り切った社民党首ハンソン首相は、対内的には、弱い人、貧しい人にも人間的な生活をという社民党の基本的思想に立脚して、後の福祉国家形成への枠組作りを行いました。</p>
<p>1946年に後継党首の座についたエランテル首相は、その在任の前半は、欧州全域からの復興努力に伴う活発な資材需要の下で高成長を享受できるという環境にも恵まれ、スウェーデン経済のパイを大きくする努力を中心として、市場の活力を生かす政策を展開しました。そして、1960年にはスウェーデンは１人当り国民所得でみると米国に次ぐ富裕国に変身していました。</p>
<p>エランデル首相は、この段階で、社民党の基本的思想に復帰し、ハンソン首相の残した福祉国家形成への枠組みに血と肉をつける政策を打ち出すのです。高所得の実現はそれだけが経済社会の目的ではありえない、高所得は、豊かさが実感できてはじめて意味を持つと主張し、公平・公正・機会均等を実現する社会、弱い人も人間的な生活の出来る社会、病気や失業などいつ何時起きるかもしれぬ災厄に対するセーフティネットや再チャレンジの可能性を持った社会、豊かに残る自然を活用して良好な生活環境を楽しめる社会、そんな社会をビジョンとしてしめしつつその方向に一歩踏み出そうと、税率4.2％の消費税導入を国民に訴えました。</p>
<p>この時点における税・社会保険料合計の国民負担がGDPに占める割合は、現在のわが国とほぼ同じ27％程度でした。決して高負担でもないし、したがって福祉の枠組はあると言ってもその内容は高福祉に値するものではなかったのです。そんなレベルからエランデル首相は自らの示したビジョンを一歩一歩階段を踏みしめて登るように漸進的に確実に実現に向けての政治的努力を続けます。</p>
<p>その軌跡は、若干の増税→福祉レベルの若干の引き上げ→国民の受益感への訴え→再度の若干の増税というサイクルのくり返しと跡付けることができます。国民の側からすれば、負担は少しふえたけど、近くに保育所はできたし保育料は安くなった、介護の質も少し上った、教育の内容も少しよくなったなどの受益の下で、このサイクルを容認したのです。</p>
<p>エランデル首相は1969年23年間の長期在任の後、大宰相の名声に包まれて退任し、この路線は後継党首パルメ首相に引き継がれました。そして、20数年経った1980年代初頭には、消費税を改組した近代的な付加価値税の税率は25％近くに到達し、国民のGDP比も50％を超えるまでになりました。この増税を支えにもう一つの主役は、県や市町村の住民税率であり、1960年の14％台の水準から80年代初頭には30％をこえる水準に上昇したのです。</p>
<p>そしてこの段階で、高負担に見合う高福祉は、ほぼ現状の姿で完成しました。高福祉高負担を政治的に実現した１つの秘密は、ビジョンを示し、国民の受益感に訴えつつ、20年以上かけて漸進的に施策を進めた「漸進主義」にあったのです。このことはまた急速な増税が国民経済に与えるショックを回避する効果も持ったと言えます。</p>
<p>&nbsp;</p>]]>
    </content>
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    <title>第7回「国民負担」</title>
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    <id>tag:www.poppins.co.jp,2008:/poppins_topics//1.9</id>

    <published>2008-10-10T01:21:24Z</published>
    <updated>2008-12-17T09:24:35Z</updated>

    <summary>スウェーデンという国は、誰もが知っているように高福祉高負担を看板として繁栄してい...</summary>
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    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.poppins.co.jp/poppins_topics/">
        スウェーデンという国は、誰もが知っているように高福祉高負担を看板として繁栄しています。高負担とひとことで言ってもハンパな負担ではありません。
        <![CDATA[<p>国税と地方税からなる租税負担に医療や年金などの社会保険負担を合計したものを「国民負担」と言いますが、そのGDPに対する比率は1/2をこえています。わが国は1/4強ですから、わが国の倍近い水準ですね。</p>
<p>GDPに含まれる減価償却費などを修正したネットの所得を国民所得と言いますが、国民負担の国民所得に対する割合で言うと、スウェーデンでは3/4に近い水準であり、わが国の35％程度の倍をこえています。</p>
<p>所得の3/4が国や地方公共団体に持って行かれるのです。このような高い国民負担の下で、年金、医療、老人介護、育児、労働事務政策などの社会保障給付費の水準は、対GDP比でみるとスウェーデンが32％程度に達しているのに対し、わが国は19％弱なのです。これだけの給付水準の一環として、育児の社会化にも潤沢な公費が投入されており、GDP比で3.5％台半ばの水準に達しています。</p>
<p>わが国の0.7％台半ばと比べて下さい。実に5倍近い高水準なのです。これだけの公費投入によって、充分な育児休暇とその間の所得補償や、保育コストの90％をこえる公費負担、所得制限なしの児童手当などが維持されているのです。</p>
<p>これほどの高負担は、経済的に持続可能とはとうてい思えない―これがわが国の常識的な見方でしょう。高いコスト負担に耐えかねて、工場などは低労働コストの発展途上国に逃げ出してゆく、あるいは、高所得の経営者などの富裕層は富を海外に移してゆくなどの現象が起こり、いわゆる産業の空洞化が生じ、わが国経済の国際競争力は極度に低下し、成長も期待できなくなる―そう信じている人が多いでしょう。</p>
<p>一方で、労働者側も、手厚い福祉給付の下で働く意欲が低下する、いわゆるモラルハザードが起り、この点からも生産性が低下し、競争率が落ちると考えるわけです。でもちょっと待って下さい。世界を代表する福祉国家スウェーデンやフランスでは、こんな現象は全く生じていません。むしろ、比較的高い成長率と低い失業率の下で、繁栄を続け、重い負担にうちひしがれているはずの国民は、豊かな生活を楽しんでいる、一体なぜでしょう。</p>
<p>実はヨーロッパでは福祉国家は国民の望む形の福祉システムが設計されれば、経済成長を阻害せず、むしろ促進すると考えるのが常識なのです。</p>
<p>主な理由は２つあります。</p>
<p>第一に、福祉の為の支出は結局国民に返ってゆきます。年金を受給する高齢者、病気に苦しむ人々、失業者に生活費がわたり、また老人介護や保育、さらには教育のために支出される公費は結局、介護士、保育士、教師などに支給されます。これらの支給は、再び経済拡張の中で支出され、経済成長をもたらすのです。同時に、福祉にたずさわる人々に豊かな就業機会を提供し、社会全体の就業率の上昇をもたらします。もう１つ、福祉支出の受益者たちにとっても、もともと社会的弱者が中心ですが、再チャレンジのチャンスが与えられ、経済の活性化に寄与するのです。</p>
<p>第二に、出生率の低下に歯止めをかけ、長期的にみて、将来世代の人々に豊かな社会を自信をもってひきつけるという効果をもたらします。ごく長期的に、人口減に歯止めをかけ、将来にわたり経済成長を期待できる経済を実現できるのです。</p>
<p>現世代の人々が、現在享受している豊かな社会を次世代にも引き継いでゆくことは、現世代に課せられた義務であり、福祉国家で高い負担を担う現世代の人々は、自分達の義務を強く自覚している、こういうことができます。</p>]]>
    </content>
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    <title>第6回「育児の社会化のために」</title>
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    <published>2008-09-09T05:22:16Z</published>
    <updated>2008-09-26T04:34:20Z</updated>

    <summary>これまで五回にわたって、「育児の社会化」とよばれる政策の下で遂行されてきた福祉国...</summary>
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        <![CDATA[<p>これまで五回にわたって、「育児の社会化」とよばれる政策の下で遂行されてきた福祉国家スウェーデンの施策を概観してきました。</p>
<p>&nbsp;</p>]]>
        <![CDATA[<p>この施策は、もともと第二次大戦前の戦間期のスウェーデンをひきいに社会民主党党首ハンソン首相の強力な指導下に、社会、経済全般にわたる活動における男女の機会均等の表現と女性の家庭からの解放をめざす為に組み立てられたものでしたが、戦後の同国経済の著しい成長の下で、もともとの政策目的である女性の就業率の向上とあわせて先進諸国のなやみの種である出生率の低下をくいとめ、この繁栄を将来の世代にもひきついで行くという長期的な効果をも作り出していったのです。</p>
<p>ハンソンの政策を受け継いだ大宰相エランデルは、ハンソンの作り出した枠組に血と肉をつけてゆくことに専念し、そのために国民に負担の上昇を求めます。育児のコストの一部を若い男女にのみ背負わせるのではなく、社会がその一部を引き受けてゆくためには、国民全体がその負担増を受け入れなければなりません。スウェーデンの社会には伝統的にこのようなことを受け入れる素地があったと考えられます。</p>
<p>考えてみますと、一時代前の主要産業であった農業は、男女ペアともに力を合わせて働く男女機会均等を前提として成り立っていました。男女ペアに子どもができれば、祖父母が育児の一翼を担い、それができない時は、隣近所の間での相互扶助、連帯の一環として、期せずして育児の社会化が問われていたのです。</p>
<p>男は外で働き、女は家庭内で育児を含む家事に専念するのが本来の役割分担という考え方は、決して古来からの確立した概念ではなかったのです。時代が変わり、農業のウエイトが著しく低下し、地域社会が事実上、若い男女の育児に協力するという暗黙の前提が希薄になってゆく社会では、公共部門が国民全体の負担の下でこの機能を戻すしかない、それが社会的存在である人間が引き続き豊かさに向けて繁栄してゆく為にどうしても必要だ―そう考える素地があったのです。</p>
<p>育児の社会化を円滑に実現してゆくための社会人的伝統は、単に経済的負担の一部を当事者から社会へ返すと言う金銭上の問題にとどまらず、人間同士の連帯とか思いやりとか社会そのものの暖かさをもはぐくみます。</p>
<p>将来にわたって人口の大幅な減少を心配しないですむためには、女性一人が生涯に平均的で二人の子どもを産む必要があります。もちろん女性は子どもを産む機械ではではありませんから、結婚しない女性、子どもをもたない女性、あるいは子ども一人の女性も数多くいらっしゃいます。ともすれば子どもを三人四人と持つ女性も社会に一般的に多数存在しなければなりません。</p>
<p>子どもを連れた家族を社会全体が笑顔で迎え入れる―そんな雰囲気が充満していることもまた、育児の社会科の一つの重要な側面なのです。公共交通機関も街路も店舗もそんな家族を喜んで、都合によっては優先的に受け入れる、そんな暖かい社会―これが育児の社会化政策を成功させる素地であり、またこの政策が成功した場合の結果でもあるのです。</p>]]>
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    <title>第５回「福祉システム」</title>
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    <published>2008-08-08T09:33:28Z</published>
    <updated>2008-09-26T04:34:40Z</updated>

    <summary>スウェーデンの高度に発達した家族政策は、もともと男女同権、機会均等、女性の家庭か...</summary>
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        スウェーデンの高度に発達した家族政策は、もともと男女同権、機会均等、女性の家庭からの解放という社会民主主義の理念に立脚して設計され、長期にわたる試行錯誤の上に立って確立された体系であり、二本の柱から成り立っています。
        <![CDATA[<p>第一の柱は、育児に伴う直接のコストの一部を社会全体で担うための家族手当の充実、子弟の教育のためのコストの大部分の公的負担であり、第二の柱は、子どもを持っても夫婦そろって社会に進出し仕事を継続できる環境を整備するための育児休暇制度の確立と、保育や幼児教育の施設の整備と保育料などの大部分の公費負担、この二つです。そのため、GDPの3.54％という高率の公費負担が投入され（2003年、日本は、0.75％）、一般市民はこの負担を受け入れたのです。</p>
<p>この政策体系は、もう一つの重大な成果を生み出しました。先進各国は、どこでも、経済発展に伴う豊かさの進展と、女性の自活能力の向上に伴い、出生率の慢性的な低下に悩まされ続けてきましたが、スウェーデンでは、家族政策の充実を受けて、この出生率の低下に歯止めがかかり、さらに反転上昇すら観察されるようになりました。</p>
<p>戦後2.3程度で安定していた出生率は、経済発展に伴い御他聞にもれず低下現象が起こり、1999年には1.5と同国史上最低値を示しました。しかしこれ以降毎年のように着実な上昇が観察され、2006年にはついに1.85まで回復したのです。</p>
<p>話は突然変わりますが、この国の年金制度は老後の年金の支給額をまず定めて、働く現状世代の人々がその給付を分担する、いわゆる確定給付型の制度でしたが、少子高齢化が今後避け難いとすると、現役世代の負担がどんどん増加し、長期的に制度の維持が困難と考えられるようになりました。年金制度を長期的な視野に立って改革することは、最大の政治決断だ―こういう認識が、市民や与野党の共通認識となり、将来にわたって、現役世代の年金負担を所得の18.5％に固定し、こうして集まった財源を年金支給世代が分け合うといういわゆる確定拠出型に変えたのです。</p>
<p>もちろん少子高齢化が進めば、年金給付額の若干の減少は避けられませんが、それでも、長期的な実質2％程度の成長が確保できれば、期待年金額は大きく減らないむという計算結果が示され、この改革は1999年より施行されたのです。この計算は、面白いことに、出生率が長期的に1.8の水準で推移することを前提としていました。</p>
<p>先に述べたように、1999年には1.5まで低下していたにも関わらずです。そうです。スウェーデン市民は、自国の福祉政策体系、特に家族政策体系の効果に自信を持っていたのです。そしてこの自信は裏切られることはありませんでした。</p>
<p>2006年の1.85という数字を前に、年金を含む自国の福祉システムの持続性と安定性にさらに自信を深めたのです。</p>]]>
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    <title>第4回「女性の社会進出」</title>
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    <published>2008-07-09T08:03:24Z</published>
    <updated>2008-09-26T04:35:01Z</updated>

    <summary>スウェーデンが女性の家庭からの解放、男女機会均等を実現するために確立してきた家族...</summary>
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        スウェーデンが女性の家庭からの解放、男女機会均等を実現するために確立してきた家族政策は、育児にかかる直接コストの一部の公費による負担（家族手当などの現金給付）と、子供を持つ両親がともに社会に出て活躍し働ける環境の整備（保育サービスや幼児教育サービスへの大規模な公費投入）をめざすものでした。そのためには、家族関係の公費支出をGDPの3.54％という著しく高い水準とする必要がありました。（2003年、日本は0.75％）
        <![CDATA[<p>この国の市民は、子供を持つ世帯の育児コストの一部を社会的に分担するため、わが国の5倍近い負担を受け入れたのです。もちろんこのような制度を一朝一夕に作り出すなどできるはずがありません。まずは、戦雲ただならぬ第二次大戦の間も、中立を守りながら制度の枠組を作り出し、戦後の経済発展期に、特に1960年以降、市民の指示を得つつ少しずつ負担を求め、ほぼ20年以上を要して、1980年代半ばに現在の制度を確立したのです。</p>
<p>この政策は、驚くべき効果をもたらしました。女性の社会進出は着実に進み、教育、介護、保育などの各般の福祉サービスを提供する職場等への大量進出が実現し、男女の労働力化率は80％をこえる水準でほぼ拮抗するまでになったのです。専業主婦という言葉はほぼ死語となり、共稼ぎという状況はごく当たり前の現象となりました。</p>
<p>それだけではありません。スウェーデンの人々は、安心して子供を持てる環境の下で、経済発展と女性の自活能力の上昇に伴い、先進諸国の悩みの種となった少子化現象に歯止めをかけることに成功したのです。</p>
<p>一人の女性が生涯産む子どもの数の平均値を「特殊出生率」と言い、長期にわたって人口減少を回避できる出生率を「人口置換水準」と言います。一般には、この人口置換水準は2.07％程度と考えられています。この国も御他聞にもれず、経済発展に合わせて出生率の低下が見られ、1950年代の2.3％程度から1999年には1.50％まで低下しました。</p>
<p>しかし、この水準がスウェーデン史上の最低値であり、バブル経済崩壊後の不況からの脱却もあって、手厚い家族政策の効果が顕著にあらわれ、以降毎年のように出生率の着実な上昇が観察され、2006年には、1.85％という水準に達しています。わが国の出生率が年々低下を続け、ついに1.3％近辺にし沈んでいることを比較して下さい。スウェーデン当局は、1.8％をこえる水準の下で、将来にわたる長期的成長ポテンシャルと、この国年金、医療などの福祉システムの持続性と安定性に自信を深めているのです。</p>]]>
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    <title>第3回「家族政策」</title>
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    <published>2008-06-09T07:00:28Z</published>
    <updated>2008-09-26T04:35:18Z</updated>

    <summary>高度に発達した福祉国家スウェーデンが、長期にわたる政策努力と試行錯誤の末に確立し...</summary>
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        高度に発達した福祉国家スウェーデンが、長期にわたる政策努力と試行錯誤の末に確立してきた家族政策の体系は、大きく分類すると次の2本柱から成り立っています。
        <![CDATA[<ol>
<li>育児に伴う直接のコストの一部を社会全体で担うための家族手当の充実、子弟の教育のためのコストの大部分の公費負担、この国での義務教育のみならず、高等教育や大学教育は原則として無料、社会教育にも高率の公的負担があります。</li>
<li>子どもを持っても夫婦そろって社会に出て働き、活動できるための環境整備、そのための重要な施策は次の通りです。</li></ol>
<ul>
<li>ほぼ2年間にわたる育児休暇とその間の所得保障（従前所得の80％以上） 育児休暇明けの復　　　　　　職保障</li>
<li>子どもを育てながら仕事を継続するために必須の施設、保育所の完備と保育料の90％以上にのぼる公費負担。</li>
<li>これらの施策は原則として所得制限なしで全ての市民に適応されます。このようなやり方を「福祉普遍主義」と言い、これが北欧社会民主主義の追求してきた理念なのです。もうひとつ、北欧福祉システムの特徴は、例えば保育所について言えば、まず「公営保育所」の整備から着手された点にあります。これを「福祉公的供給主義」といい、現在では公営と民営に競争させ保育の質を高めると言う観点から民営の保育所も増えてきていますが、そのウエイトは10％程度と言います。</li></ul>
<p>このようなレベルの高い「育児の社会化」政策に、どれ位の公的資金が投入されているでしょうか。OECDが公表した2003年のデータを見ると、スウェーデンの家族関係公費支出はGDPの3.54％であり、日本の0.75％の4.7倍にも達しています。さらに家族関係支出の中身をGDP比で。細かくみると次の通りです。</p>
<p>１）現金給付としては、出産、育児休業の給付金が0.66％（日本は0.12％）、家族手当給付が0.85％（日本は0.31％）に達し、日本の水準の5倍以上です。</p>
<p>２）保育や幼稚園などへの公費投入額は、1.74％（日本は0.33％）であり、その他のサービスへの公的投入を含む合計では、1.95％（日本は0.44％）であって、日本の水準の4.4倍に達しています。</p>
<p>スウェーデンの市民は、子どもをもつ所帯の育児のコストの一部を社会的に分担するために、我が国の5倍近い負担を受け入れているのです。</p>
<p>　　</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>]]>
    </content>
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    <title>第2回「育児の社会化政策」</title>
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    <published>2008-05-08T05:15:31Z</published>
    <updated>2008-09-26T04:35:39Z</updated>

    <summary>第2次世界大戦中のスウェーデンは、社会民主党の党首ハンソンのひきいる内閣の下で、...</summary>
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        <![CDATA[第2次世界大戦中のスウェーデンは、社会民主党の党首ハンソンのひきいる内閣の下で、ついに中立を守り通し、しかも将来の福祉国家形成の枠組みとなる基本的な福祉システムの構築の第一歩をしるしました。過酷な大戦も巨大なつめあとを欧州に残して終結をみた1946年、大宰相ハンソンの急死を経て内閣を組閣したエランデル首相は、この貴重な枠組みの肉付けにとりかかります。<br /><br />]]>
        <![CDATA[特に、女性の家庭解放を実現し、男女の機会均等をめざす家族政策の充実はなかでも極めて重要な政策課題でした。この政策方針は、1946年から23年間にわたってエランデル首相によって担われ、ついで後任のパルメ首相に引き継がれます。終戦直後の欧州本土は、主要な産業設備は破壊され、惨めな焼け野原が広がっていました。そのような中で欧州全域で必死の復興努力が行われたのですが、中立を貫いたスウェーデンは、復興資材等の需要の殺到により、高度の経済成長をとげ、成長の成果を「弱い人、貧しい人にも」という社会民主党の基本的な立脚点を実行に移し、福祉国家の実現を期しうるだけの経済力がつちかわれていたのです。<br /><br />「市民全般に豊かな社会の実感を」という考え方は、広く国民に歓迎され、高福祉実現のための高負担もまた受け入れられたのです。その重要な一環として、「育児の社会化政策」も遂行されます。そして、1980年代の初頭には、福祉の政策体系がほぼ完成いたします。<br /><br />主な内容は次のとおりです。<br /><br />（１）育児に伴う直接のコストの一部を社会全体で担うための家族手当の充実、子弟の教育のためのコストの大部分の公的負担<br /><br />（２）子どもを持っても夫婦そろって社会に出て働き、活動できるための環境の整備、そのための重要な施策は次のとおりです。<br /><br />　a)ほぼ2年間にわたる育児休暇とその間の所得保障（従前所得の80％以上）<br /><br />　b)子どもを育てながら仕事を継続するために必須の施設、保育所の完備と保育料の９0％をこえる公共負担。<br /><br /><br /><br />このような施策は、驚くべき効果を生み出しました。男性の労働力化率90％弱、女性の労働力化率60％台という数字が示すような専業主婦による育児がまだ支配的であった社会から、男女ともに労働力化率が80％台なかばといういわゆる「共働き」があたり前の社会へ変化して行きます。2歳くらいまでは育児休暇を利用して夫婦が子どもの面倒を見るが、3歳近くからは、保育所を利用するという育児形態が普及し、高度の訓練と優れた能力を持つ保母さんの仕事の重要性が社会的にも広く認められるようになってゆくのです。<br /><br />]]>
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