暦の上では春が近づいておりますが、
まだまだ冷え込む日が続いていますね。
園前テラスの木々も寒さに耐えながら、
春の芽吹きの準備をしているようです。
🌸 ポピンズナーサリースクール東大本郷さくらです。
今年度からスタートした、
お子様たちの知的好奇心を育む探求活動
「とうきょうすくわくプログラム」。
2歳児クラス(ダファデルクラス)10名が
夢中になって取り組んでいるテーマは「音」です。
今回は、実り豊かな秋から冬(10~12月)にかけて、
自然の中で「音」と出会い、
心を通わせた第2弾の様子をお伝えいたします。
お子様が主体的に動けるよう、
保育者は以下のような環境を整えて活動を行いました。
【テーマ】: 自然と音の探求活動
【場所と所要時間】:
園庭および保育室にて、
各回30分〜1時間程度(子どもの興味に合わせて調整)
2歳児クラスでは、給食を挟む9:45~13:30とし、
活動後に担任、講師と振り返り(30分程度)を実施。
【人的環境】:
音楽プログラム講師が月3回訪問、
自然探究(10月)の専門講師が同行。
🍂 新聞紙から広がる「秋」のイメージ(10月)
室内で「新聞紙」を使い、
破いたり丸めたりして音と感触の違いを楽しみました。
【保育者の環境設定】
新聞紙を「破る」「踏む」「投げる」といった
多様な動きが生まれるよう、広いスペースを確保。
音の違いを言葉(オノマトペ)で
表現し合えるような雰囲気づくりを行いました。
【準備したもの】 大量の新聞紙

「ゆっくり歩くとどんな音?」
「走るとどうかな?」と試す中で、
自分の出す音とお友だちの出す音の違いに気づき、
自然と「聴く」という意識が高まっていきました。
新聞紙を上に投げ上げた時。
「まあるくなあれ!」と
丸めて投げた新聞紙がパラパラと降ってくる様子を見て、
あるお子様が
「あ!葉っぱみたいだね」と声をあげました。

これは園前のテラスで落ち葉を降らせて
遊んだ記憶と繋がった瞬間だったかもしれません。

「どうすれば頭の上にもっとたくさん降らせることができるかな?」
と試行錯誤する姿に、確かな想像力の育ちを感じました。
🐜 あっこ先生と「たんきゅう」の旅へ(10-11月)
自然の専門家「あっこ先生」を迎え、
東大構内での探求が本格的にスタートしました。
【保育者の環境設定】
「五感」を意識できるよう、イラストを用いた対話を導入。
また、室内での音遊びが外の世界へ繋がるよう、
自然物と生活用具を組み合わせた環境を用意しました 。
【準備したもの】
自然物(ドングリ、松ぼっくり等)、調理器具(ざる、お鍋等)、
長い木の板、音叉(おんさ)、布、
魚釣りごっこができるアイテム(フェルト)、画用紙、箱

お散歩に出る前、
あっこ先生は「め」「みみ」「て」「はな」のイラストを見せながら、
小さなお子様にも分かりやすく
【たんきゅう】について教えてくれました。
自然を大事にする「ありがとう」の気持ちを伝えてくれるあっこ先生に、
お子様たちはうなずきながら近づき、
あっという間に仲良しになりました 。
探究の始まりは、「長い板と木の実」でした。
「転がしてみると、どんな音がするかな?」

カラコロと転がる音やその様子に、お子様たちは大笑い!


そこへ、布で隠しておいた「ざる」や「お鍋」が登場すると、
お子様たちは一気に押し寄せ、
木の実を使っておのおのに遊び始めました 。

気に入った音を見つけると、
「きいててね。いくよ!」と
嬉しそうに見せてくれる姿が印象的でした。

その後のお散歩では、車や鳥、虫の音など、
自然の音をたくさん発見しました。

雨上がりの水たまりでは、足踏みをして水音を楽しんだり、
葉っぱを落として浮いている様子をじっくり観察したり。


最初はそっと足を踏み入れるお子様たちでしたが、
徐々に動きが大きくなり、
はじける水しぶきと水の音に大興奮でした。
あっこ先生が用意した布の上にフェルトの魚を置き、
植物の「ミズヒキ」を釣り竿にして魚釣りを楽しみました。

どうやったら魚にひっかかるのか試行錯誤し、
うまくいかなくても何度も挑戦する姿、
そして釣れた時の誇らしげな表情がとても印象的でした。
出会った植物たち:
イノコヅチの仲間、ムクノキ、イヌビワ、ケヤキ、
センダングサの仲間、ミズヒキ、クズ、ラクウショウ、エノキ
🕸 命の音に耳を澄ませて
あっこ先生が持ってきた「音叉(おんさ)」を鳴らし、
蜘蛛の巣に近づけた時のことです。
音の振動を感じた蜘蛛が反応する様子を、
お子様たちと一緒に息をのんで見守りました。


一つの音に全員の意識が集中した瞬間。
「耳を傾ける」ことが、命の不思議に触れる扉になるのだと、
大人も教わった貴重な体験となりました。
🍼 ペットボトルで奏でる自分だけの音(11月)
11月のすくわく音探求では、廃材をテーマに行いました 。
【保育者の環境設定】
「どうしたら音が鳴るかな?」と
お子様自身が考えて試せるよう、
あえて完成した楽器ではなく「素材」を提示しました 。
【準備したもの】
ペットボトル、自分たちで拾った木の実や小枝
皆で拾った木の実の中から好きなものを選び、
ペットボトルへ入れていきます。
ボトルを振って音を出していると、
中身が出ないように口を塞いで工夫するお子様がいました 。


言葉にするのは難しくても、周囲を観察して
「ドングリが出ないようにしているんだよ」と
教えてくれる姿に、考え工夫する力の育ちを感じました 。
🥤 ストローの笛で「ふー!」と大合奏(12月)
廃材シリーズの3回目では、ストローを使って笛を作りました 。
【保育者の環境設定】
太さの異なるストローを配り、
それぞれの特徴や組み合わせによる発見を促しました 。
【準備したもの】
太さの異なるストロー
一人が「太いストローの中に細いストローが入る」
ことに気づくと、皆が同じように入れて観察を始めました 。


保育者にストローの笛を作ってもらうと、
口にくわえて一生懸命吹こうとします。
はじめは息を吹くのが難しく、
「ふー」と声に出しながら
「むずかしい……」と伝えてくれたお子様。

最初は音が出ないことに少し悲しそうな表情も見せましたが、
次第に音を声に出したり、
お友だちの前に出て堂々と発表したりと、
自分なりの音遊びの楽しみ方を見出していました 。
📝 保育者と専門講師(あっこ先生)とのカンファレンスと振り返り
活動後の振り返りと自然探求の研修をおこないました。


以下のような気づきが共有されました 。
-
「禁止」ではなく「探求」へ:
普段は止めがちな遊びも、安全を確保した上で
ダイナミックに経験させてあげられたことで、
お子様たちの表情がいきいきと輝き、
自主性が育まれるのを感じました 。 -
「分からない」を一緒に楽しむ:
大人が全ての答えを知っている必要はなく、
お子様と一緒に「不思議だね」と面白がることが、
知的好奇心を引き出す鍵となります。 -
オノマトペによる表現の広がり:
感じたままを音で表現する姿が増えました。
ポピンズの教育指針「知力8」に基づき、
自由遊びの中でどのような知能を発揮しているか
観察することの重要性を再確認しました。
耳を澄ませ、音を楽しみ、自然と対話した3ヶ月間。
最初はただ「聞こえてくるもの」だった音が、
今では「自分たちで発見し、楽しむもの」へと変わってきています。
次回の報告(第3弾)が今年度最後の報告となります。
音を探求し音づくりをさらに深めていく
お子様たちの様子をお届けします。
どうぞお楽しみに。